ブログをワードプレスで作る前に|自分の側に移る4つの仕事
三橋竜彰・
「ブログはワードプレスで作るのがいい、と書いてある」
「でも、無料で始められるものがあるのに、なぜわざわざお金を払うのかが分からない」。
検索して出てくる記事のほとんどは、開設の手順です。サーバーを契約して、アドレスを決めて、管理画面に入るまで。手順そのものは、その日のうちに終わります。
ただ、手順の記事はたいてい開設したところで終わります。そのあと何が自分の仕事になるのかは、ほとんど書かれていません。
この記事では、ワードプレス(WordPress)で作ると、無料ブログのときに運営会社がやっていた仕事がどう自分の側に移るのかを整理します。読み終えると、費用の差だけでは見えない部分を含めて、自分が引き受けられるかどうかを判断できます。
ワードプレスにするとは、借りる側から持つ側に変わることです
無料ブログは、運営会社が用意した仕組みの中に自分の記事を置かせてもらう形です。自分で建てる場合は、置き場所そのものを自分で契約します。
違いは「使える機能の数」ではありません。誰がその面倒を見るかが入れ替わります。
| やること | 無料ブログ | 自分で建てる場合 |
|---|---|---|
| 置き場所の用意 | 運営会社 | 自分(サーバーの契約) |
| アドレスの維持 | 運営会社 | 自分(アドレスの契約) |
| 仕組みの更新 | 運営会社 | 自分 |
| 表示が止まったときの復旧 | 運営会社 | 自分 |
| 見た目・機能の選択 | 用意された範囲から選ぶ | 自分で選んで入れる |
どちらを選ぶかという入口の判断はブログの始め方|6つの手順と、あとで効いてくる選択にまとめています。この記事は、そこで「自分で建てる」を選んだあとの話です。
自分の側に移る4つの仕事
移ってくるものを並べると、だいたい次の4つに収まります。どれも難しくはありませんが、誰もやらないと止まります。
1. 契約を切らさない
サーバーもアドレスも、期限のある契約です。更新を忘れると、記事が消えていなくても公開が止まります。
- 支払い方法の有効期限が切れて更新できていなかった
- 案内のメールが別のフォルダに振り分けられていた
どちらもよくある止まり方です。自動更新にしておき、支払い方法だけ年に一度見る、くらいで足ります。
2. 更新を当てる
ブログを動かしている仕組みには更新が出ます。本体だけでなく、あとから足した見た目の部品や追加機能にも出ます。
足したものが多いほど、見る対象が増えます。 ここは次の節でもう一度触れます。
3. 表示が止まったときに直す
無料ブログなら、表示されなくなっても自分にできることはほぼありません。運営会社が直すのを待つ形です。自分で建てている場合は、待っていても誰も直しません。
とはいえ、最初に覚えることは多くありません。「最後に何を変えたか」を思い出せる状態にしておくことが、実際には一番効きます。直前に足した部品を外せば戻る、という止まり方が多いためです。
4. 公開の設定に責任を持つ
ここが、いちばん見落とされます。
自分で建てる場合、検索エンジンに載せるかどうかの設定も自分の側にあります。作っている途中は載せない設定にしておき、公開のときに戻す——この戻し忘れが起こります。
記事が検索結果に出てこない原因のうち、設定の戻し忘れは最初に確かめる価値があります。見る場所と、そのほかの原因の切り分け方はブログがインデックスされない|新規ブログ・WordPress・AI記事の場合にまとめました。書き始める前に一度開いておくと、あとで慌てずに済みます。
「自由に変えられる」は、決めることが増えるということでもあります
自分で建てる形の利点として、見た目も機能も広く変えられることが挙げられます。これはそのとおりです。ただ、選べるということは、選び続けるということでもあります。
- 見た目を選ぶ → もっと良いものが出ると、また迷います
- 機能を足す → 足した分だけ、更新と不具合の可能性が増えます
- どちらも記事を1本も書かなくても進められてしまう作業です
ポイント
開設した直後にいちばん時間を吸われるのは、書くことではなく、見た目と機能をいじることです。ここで数週間使ってしまうと、最初の記事が出ないまま熱が下がります。
最初に決めるのは3つで足ります。 アドレスの形、見た目、そして何について書くか。このうち3つ目だけが、あとから変えると痛みが出ます。題材の決め方は6つの手順と、あとで効いてくる選択の中で扱っています。
残りは、記事が10本たまってから見直しても遅くありません。読む人がいない段階で作り込んでも、直す材料がないからです。
費用は「始めるときの費用」ではなく「続く費用」です
金額そのものは、この記事では書きません。料金の改定で変わるからです。書いた時点で正しくても、読まれる時点で違っていることがあります。契約前に、各社の料金ページで確かめてください。
代わりに、金額より先に見ておきたい点を挙げます。
- 一度きりではなく、続けて払う費用です — 期間で契約する形が一般的です
- 払うのをやめると、公開も止まります — 記事が手元にあっても、読める状態ではなくなります
- 最初の期間だけ安い案内があります — 次の更新でいくらになるかを、契約前に見ておくほうが安全です
注意
無料ブログは、放っておいても公開が止まることは基本的にありません。自分で建てている場合は違います。払うのをやめた時点で読めなくなります。記事の書き出しだけは、定期的に手元へ取っておいてください。
無料ブログから移るか、最初から自分で建てるか
判断の軸は1つです。書けるかどうかを試したいのか、長く積み上げたいのか。
試したい段階なら、無料ブログで構いません。ただし、あとから移るときに失われやすいのは記事ではなく、アドレスに溜まった評価のほうです。移るコストは記事数と運用期間に比例して増えるので、移る可能性があるなら早いほうが身軽になります。
無料側の制限がどこに置かれているかは無料ブログはどこまで無料か|選ぶ前に見る5つの軸で5つの軸に整理しています。収入を目的にしているなら、そこの「収益化」の軸を先に読んでください。最初から自分で建てたほうが手戻りが小さい場合があります。
自分で建てないほうがいい場合
逆に、次のどれかに当てはまるなら、急いで移る必要はありません。
- まだ書けるかどうかが分からない — 続くかを確かめるほうが先です
- 手入れを引き受けるつもりがない — 契約も更新も自分の側に来ます
- しばらく更新しない予定がある — 動かしたまま放っておく形がいちばん困ります
続ける仕組みのほうに不安があるなら、道具を変える前にブログが続かない原因と、書かずに続ける仕組みの選び方を読むほうが早く進みます。どこに建てても、反応が無いまま書き続けられるかという壁は同じです。
ブログはワードプレスで作ったほうがいいですか?
長く積み上げるつもりがあるなら、自分で建てる形のほうがあとの手戻りは小さくなります。ただし、無料ブログのときに運営会社がやっていた仕事が自分の側に移ります。サーバーとアドレスの契約を切らさないこと、仕組みの更新を当てること、表示が止まったときに直すこと、検索エンジンに載せる設定を自分で管理することの4つです。まず書けるかどうかを試したい段階なら、無料ブログで始めても構いません。
ワードプレスでブログを作るといくらかかりますか?
サーバー代とアドレス代がかかります。金額はサービスによって幅があり、料金の改定でも変わるため、契約前に各社の料金ページで確かめてください。金額より先に見ておきたいのは、一度きりではなく続けて払う費用であること、払うのをやめると公開も止まること、最初の期間だけ安い案内がある場合は次の更新でいくらになるかを確かめておくことの3点です。
ワードプレスの管理は難しいですか?
作業そのものは多くありません。契約の更新、仕組みの更新、止まったときの復旧、公開設定の管理の4つです。難しさよりも、誰もやらないと止まるという点が無料ブログとの違いになります。止まったときは、最後に何を変えたかを思い出せる状態にしておくと復旧が早くなります。直前に足した部品を外せば戻る、という止まり方が多いためです。
無料ブログからワードプレスへ移せますか?
記事そのものはたいてい持ち出せます。失われやすいのは記事ではなく、アドレスに溜まった評価のほうです。記事のアドレスが変わるため、検索結果に載っていた分はいったん切れます。移るコストは記事数と運用期間に比例して増えるので、移る可能性があると思っているなら、記事が増える前に判断するほうが身軽です。
開設したあと、最初に何をすればいいですか?
見た目や機能をいじる前に、記事を書いてください。開設した直後にいちばん時間を吸われるのは、書くことではなく見た目と機能の調整です。最初に決めるのはアドレスの形、見た目、何について書くかの3つで足ります。このうちあとから変えると痛みが出るのは3つ目だけです。残りは記事が10本たまってから見直しても遅くありません。
まとめ
ブログをワードプレスで作るというのは、借りる側から持つ側に変わるということです。見た目も機能も広く変えられるようになりますが、運営会社がやっていた仕事も同じだけ移ってきます。
移ってくるのは、契約を切らさないこと、更新を当てること、止まったときに直すこと、公開の設定に責任を持つことの4つです。どれも難しくはありませんが、誰もやらないと止まります。
そして費用は、始めるときの金額ではなく続く費用として見てください。払うのをやめた時点で読めなくなる、という点が無料ブログとのいちばん大きな違いです。引き受けられるかどうかで決めれば、金額だけを比べるより迷いません。